避妊・去勢手術

去勢手術:オスの場合

方針イメージ

オスの場合には、左右の精巣を摘出する手術となります。当院では、おおむね生後6か月以降に行っています。
生後6か月以降になっても、陰嚢内に精巣がない場合があります。これは稀に見られる陰睾という病気(精巣が腹腔内や鼡径部にある)で、治療の対象となります。

通常は健康な動物に手術をするため、下記の利点・欠点を検討する必要があります。

利点
*不妊となる
*精巣に関連する疾患を防止する
*雄性ホルモンによる疾患を予防・改善する
  前立腺肥大の改善
  会陰ヘルニアの予防
  肛門周囲腺腫の改善・予防
*オス特有の行動の改善
  マウンティングの軽減
  攻撃行動の減少
  尿のマーキングの予防・減少
  ネコではケンカの減少
   ⇒猫エイズや白血病の予防
欠点
*全身麻酔の必要がある
*食欲増加による肥満傾向

 

避妊手術:メスの場合

方針イメージ

メスの場合には、左右の卵巣と子宮を摘出する手術となります。当院では、おおむね生後6か月以降に行っています。

通常は健康な動物に手術をするため、下記の利点・欠点を検討する必要があります。

利点
*望まない妊娠、発情を防ぐ
*子宮・卵巣に関連する疾患を防止する
  子宮蓄膿症
  子宮内膜炎
  卵巣・子宮の腫瘍など
*乳腺腫瘍を防止する
  イヌ
   乳腺腫瘍の50%が悪性と言われる
   早期の手術ほど予防効果は高い
  ネコ
   乳腺腫瘍の90%が悪性と言われる
   早期の手術ほど予防効果は高い
*ネコでは問題行動の改善
  発情期の尿マーキングや鳴き声
  
欠点
*全身麻酔の必要がある
*開腹手術となる
*食欲増加による肥満傾向
*術後の尿失禁(大型犬)

手術の流れ

  • 診察(術前検査)

    身体検査や術前血液検査を行います。
    麻酔に影響を与える問題点がないかを調べます(手術予定日から2週間以内)。
  • 手術日の決定

    術前検査での結果に大きな異常がなければ、手術日が決定します。
  • 手術当日

    朝9時半頃までに来院していただきます。午前の診察終了後に手術を実施します。
    通常は夕方以降に退院となります。
  • 術後検診

    手術翌日を含め数回の検診があり、10-14日後に抜糸を行い終了です。

FAQ よくあるお問い合わせ

入院は何日くらいですか?

通常は日帰りとなっています。いつもと同じ環境(ご自宅)で術後を過ごすことで、ストレスが低減されるためです。
ただし、術後の状態によっては入院管理となることもあります。


お薬を飲ませられるか心配です

特にネコちゃんではお薬を飲むことが苦手なことが多いです。錠剤・粉薬・シロップなどが選択可能です。または長時間作用型の注射を使用する事も可能です(手術日に注射すると14日間有効です)。