イヌの感染症について

狂犬病とワクチンについて
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狂犬病
全ての哺乳類が感染し、100%死亡する感染症で、治療法はありません。 唾液に含まれるウィルスが咬み傷から感染し、よだれ・異常な行動など神経症状が現れ、凶暴化または麻痺を示して死亡します。 日本は世界でもまれな、発生の無い清浄国です。 唯一の予防法はワクチン接種です。
- 狂犬病ワクチン
- 法律でイヌには年に一回のワクチン接種が義務となっています。
- 市町村への登録
- 法律により犬を飼い始めた時には市町村への登録が義務とされています(生涯に一度の犬の戸籍)。
引越で市町村が変わった時にも手続きが必要です。
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犬の混合ワクチン対象疾患
- パルボウィルス感染症
激しい嘔吐・下痢を起こし、食欲をなくし、急激に衰弱します。重症になると脱水症状が進み、短時間で死亡することも。
伝染性が強く、死亡率の高い病気です。 - ジステンパー
高熱・目ヤニ・鼻水が出て、元気や食欲がなくなり、嘔吐や下痢も症状に出てきます。病気が進行すると神経系を侵され、麻痺などの後遺症を残す場合もあり、死亡率の高い病気です。 - 犬伝染性肝炎
発熱・腹痛・嘔吐・下痢の症状があり、眼が白濁することも。 生後1年未満の子犬に感染すると、全く症状を示す事なく突然死することがあります。 - 犬アデノウィルス2型感染症
発熱・食欲不振・くしゃみ・鼻水・短く乾いた咳がみられ、肝炎を起こす事もあります。他のウィルスとの混合感染により症状が重くなり、死亡率が高くなる呼吸器病です。 - 犬パラインフルエンザウィルス感染症
カゼ症状がみられ、混合感染や二次感染が起こると、重症になり死亡する事があります。伝染性が非常に強い病気です。 - 犬コロナウィルス感染症
成犬の場合、軽度の胃腸炎ですむ事が多いが、犬パルボウィルスとの混合感染では重症化する事もある。 子犬の場合、嘔吐・重度の水溶性下痢を引き起こします。 - 犬レプトスピラ感染症
レプトスピラ症は、レプトスピラという細菌による感染症です。 レプトスピラに感染しているネズミなどの野生動物の尿・その尿に汚染された水や土を介して、皮膚・口から感染する事が知られています。 犬を含むほとんどの哺乳類に感染し、発熱・嘔吐・下痢・出血などを引き起こします。 重症化すると死に至る事もあります。 レプトスピラにはいくつかの型(タイプ)があります。
レプトスピラ・カニコーラ、レプトスピラ・イクテロヘモラジー、レプトスピラ・コペンハーゲニー、レプトスピラ・グリッポチフォーサ、レプトスピラ・ポモナなど
※犬だけではなく、人にも感染する事がある「動物由来感染症」です!!
- 混合ワクチン(基本的なワクチン)
- パルボウィルス感染症・ジステンパー・伝染性肝炎・アデノウィルス2型感染症・パラインフルエンザ感染症
- レプトスピラワクチン
- 基本的なワクチンに加えて接種するワクチンです。
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ネコの感染症について
猫の混合ワクチン対象疾患
- 猫カリシウィルス感染症
この病気にかかる猫はとても多く、カゼによく似たクシャミ・鼻水・軽度発熱などの症状を起こします。 口腔内に潰瘍・水泡を形成するのが特徴で、まれに急性結膜炎・鼻炎・一過性の発熱がみられる他、関節と筋肉の痛みから跛行することもあります。 また、子猫の場合、他の病気との合併症により症状悪化し、死亡する事もあります。 ウィルスを体内に持っている猫から感染します。 - 猫ウイルス性鼻気管炎
カゼによく似たクシャミ・鼻水・軽度発熱などの症状の他、角膜炎・結膜炎がみられ、重症化で死亡する事もあります。 ウィルスを体内に持っている猫から感染する他、空気中の微粒子・食器・寝具などからも感染します。 - 猫汎白血球減少症
子猫では、食欲・元気消失・発熱・嘔吐・下痢などの症状がみられる事もある死亡率の高い病気です。 妊娠中の母猫が感染すると、流産・異常産を起こす事もあります。 病気の進行が速く、治療が困難なため、ワクチンによる予防が有効です。 - 猫クラミジア感染症
カゼによく似たクシャミ・鼻水・軽度発熱などの症状の他、角膜炎・結膜炎がみられ、重症化で死亡する事もあります。 抗生物質による治療が有効です。 - 猫白血病ウィルス感染症
白血病やリンパ腫、貧血などを起こします。症状が出ない潜伏期間が長いため、外でケンカなどするネコちゃんは、ウィルス検査が必要です。 ウィルス検査で陰性であれば、ワクチン接種で予防が可能です。 - 猫免疫不全ウィルス感染症(猫エイズ)
エイズウィルスの感染により、免疫不全状態になります。口内炎や傷が治りにくい、風邪から肺炎になるなど、抵抗力が下がってしまいます。 感染していても症状がない場合もあるため、ウィルス検査での確認が必要ですが、陰性であればワクチンによる予防が可能です。- 3種混合ワクチン
- 猫カリシウィルス感染症・猫ウィルス性鼻気管炎・猫汎白血球減少症
- 7種混合ワクチン
- 猫カリシウィルス感染症(3タイプ)・猫ウィルス性鼻気管炎・猫汎白血球減少症・猫クラミジア感染症・猫白血病ウィルス感染症
- 猫エイズワクチン
- 初回接種時にはウィルス検査が必要
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フェレットの感染症について
フェレットのワクチン対象疾患
- ジステンパー
高熱・目ヤニ・鼻水が出て、元気や食欲がなくなり、嘔吐や下痢も症状に出てきます。病気が進行すると神経系を侵され、麻痺などの後遺症を残す場合もあり、発症すると死亡率はほぼ100%です。 フェレットはイヌよりも感受性・死亡率が高く、予防が必要です。 - ヒトのインフルエンザ
フェレットは、人のインフルエンザに感染します。ワクチンはありませんので、家族で感染した人は十分注意しましょう。
- 2種混合ワクチン
- ジステンパー ・(パルボウィルス感染症)
フェレット専用ワクチンは国内未販売のため、イヌ用となります。
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フィラリア症予防について
- 蚊に刺されることで感染する寄生虫です。感染から約6か月ほどで、心臓内や肺の血管内に移動し、オスとメスが寄生していると仔虫(ミクロフィラリア)を産みます。
- イヌ・ネコ・フェレットは感染の可能性があります!
- 体内に侵入した幼虫を駆虫する必要があります(完全室内飼育でも感染例があります!)
駆虫薬:毎月1回飲むまたは滴下する(錠剤・ジャーキータイプ・滴下タイプなど) - 駆虫薬投与期間:5月中旬から11月末まで
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ノミやマダニの予防について
- ノミの感染は、アレルギー性皮膚炎や条虫(サナダムシ)の感染源になります。
上図は『はちクリブログ:ノミ』より
- マダニの感染は、貧血の原因や人の『重症熱性血小板減少症候群』の原因となります。
上図は『はちクリブログ:マダニ』より - 駆虫薬:毎月1回飲むまたは滴下する(錠剤・おやつタイプ・滴下タイプなど)
フィラリア症予防も同時に可能なタイプや、3か月に1回飲むタイプもあります。